【てぃんかーべる】
「水森さんは
 本気でモデルとか
 やってみたいと
 思ってるわけですよね?」

肥った面接官が
訊いてきた

「あ
 はいっ
 有名になって
 世間に認められたいですっ」

「うんうん
 それだけ可愛ければ
 すぐ有名になれますよ」

肥った面接官が
笑顔で答える

「ファッション雑誌とかは
 よく読む方かな?」

髭面の男が訊いてきた
彼の声は少しハスキー

「あ、はい
 よく読みます」

「どういった系の?」

わたしは
流行りの雑誌をいくつか並べた
たいした内容では
ないのだけど
面接官たちの
反応はとても良かった

「じゃあ…ね
 さっそくなんだけど
 撮影に入らせてもらえるかな」

「あ、はい
 わかりました」

わたしは
席を立ち
茶髪の男に誘導され
隣りの撮影場所に
連れていかれた
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