3年前の君へ 〜下駄箱536の1つ下の秘密〜
最後の手紙を入れてからしばらくして、奏音ちゃんが人を探している、という言葉が聞こえた。
情報を聞くと、たぶんそれは俺、だと思う。
”運動が好きで、17歳の高校2年生、男の子。”
手紙でやり取りした中で、俺が奏音ちゃんに教えた俺のことは、これだけだったから。
・・・うぬぼれじゃない、と思う。
透馬が、これお前のことじゃないのか?と聞いてきた。
何をどう勘付いたのか、たぶん奏音ちゃんが探している人が俺だと気づいたんだと思う。
けれど俺は知らないふりをした。
奏音ちゃんが、俺を探してくれている、ということを知れただけで、俺には十分だった。
・・・3年後が、今から待ち遠しくてたまらなかった。