3年前の君へ 〜下駄箱536の1つ下の秘密〜





手紙が突然終わってから1週間が経った。

私はたまらず、536の1つ下、いつもの下駄箱を見てみた。




そこには、私が置いた手紙が、残っていた。


あっ...そっか。終わりか。

もともと、不思議な始まり方だったんだし。

これで、手紙をもらう前に戻る、っていうだけか。

何てことない。元通り、それだけ。



私は下駄箱から手紙を取り、ポケットの中にいれた。




非日常がたまたま続いただけ。

知らない人と手紙のやり取りなんて。

危ないかもしれない。

変なことに巻き込まれなかった。

うん。
これでよかった。



よかったんだ。




・・・よかったのに。





—————どうして、こんなにさみしいんだろう。




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