3年前の君へ 〜下駄箱536の1つ下の秘密〜
「透馬お前、あの子知ってるのか?」
「いや、知ってるっていうか...
あの子いつも静かで、本読んでるんだよなあ。
女の子なのに、お前にキャーキャー言わないから珍しいなあと思ってさ。」
「・・・お前、あの子の名前知ってるの?」
「ん?あー、えっと確か・・・2年1組30番、柊奏音ちゃん、だった気がするな。」
「柊、奏音、ちゃんか・・・」
出席番号と、名前。
俺はしっかりと脳内メモ帳に書き込んだ。
「え、何、あの子が探し物?」
俺の様子から、何かを感じ取ったのか透馬がそう聞いてきた。
「・・・あー。まあ、そんなとこ。」
透馬の言葉を適当に流して、俺はトイレに行った。