3年前の君へ 〜下駄箱536の1つ下の秘密〜
「あれ、もうこんな時間か...」
ん?そう、こんな時間だ。
5時間目まであと5分の予鈴が、今さっき鳴ったところ。
俺は彼女がいるほうに視線を向けた。
彼女と、男はまだ顔を見合わせて笑い合っていた。
「とーまっ。お前、なに見てんだ?」
突然現れた透馬をチラッと見てから、透馬に返事はせず、再び2人に視線を向けた。
「ん?あー、奏音ちゃんね...」
俺の視線をたどるようにして、俺と同じように二人を見つけた透馬。
「っておい!涼、お前なんて顔してんだよ。
かわいい顔が台無しだぞ。」
「え?そんなひどい顔してるか?」
透馬の言葉が気になり、バッ、と透馬を見た。
「おー、そりゃあ、もう今のお前は般若見たい顔してる。」
俺のほっぺをぐいーっと引っ張り、透馬が言った。