エリート専務の献身愛
「城戸瑠依さん?」
ホテルのロビーで突然名前を呼ばれた。
フルネームで呼び止められるなんて、いったい誰だろうかと思った。顔を上げた瞬間、目を剥く。
「初めまして。レナ・ブランチャード・パドヴァです。浅見総の秘書をしています」
「あ……」
「見ての通り、わたしは日系二世で日本語もわかりますのでご安心を」
私よりも少し背が高い。黒髪で、瞳は薄いグリーン色。
間近で向き合って見るのは初めてだけれど、挨拶が事務的で少し冷たい印象を受ける表情は、美人ということもあって余計にどきりとする。
完全にレナさんの雰囲気に圧倒されている間も、彼女はペースを乱すことなく名刺を出し、淡々と話を続けていく。
「失礼ですが、本日は、総があなたをこちらに?」
まるで上司と対面しているような緊張感。
いや、実際の上司(部長)のほうが、ずっと話しやすい。
って、そんな感想じゃなくて、少しまともに答えなくちゃ!
私は慌てて名刺を両手で受け取った。
「いっ、いいえ! 私が急に押しかけてしまって」
「そうだと思いました」
「えっ……」
ホテルのロビーで突然名前を呼ばれた。
フルネームで呼び止められるなんて、いったい誰だろうかと思った。顔を上げた瞬間、目を剥く。
「初めまして。レナ・ブランチャード・パドヴァです。浅見総の秘書をしています」
「あ……」
「見ての通り、わたしは日系二世で日本語もわかりますのでご安心を」
私よりも少し背が高い。黒髪で、瞳は薄いグリーン色。
間近で向き合って見るのは初めてだけれど、挨拶が事務的で少し冷たい印象を受ける表情は、美人ということもあって余計にどきりとする。
完全にレナさんの雰囲気に圧倒されている間も、彼女はペースを乱すことなく名刺を出し、淡々と話を続けていく。
「失礼ですが、本日は、総があなたをこちらに?」
まるで上司と対面しているような緊張感。
いや、実際の上司(部長)のほうが、ずっと話しやすい。
って、そんな感想じゃなくて、少しまともに答えなくちゃ!
私は慌てて名刺を両手で受け取った。
「いっ、いいえ! 私が急に押しかけてしまって」
「そうだと思いました」
「えっ……」