エリート専務の献身愛
「レナさんの忠告を受けて、お仕事忙しいって聞きましたし……。色々教えてくれた彼女を通すのが筋かなぁって。あのときは思ったんですけれど、迷惑でしたかね」
「いや。オレにはどこかうれしそうに見えたけどね」
「そんな、まさか」
「本当に。きっと、瑠依のこと気に入ったんだよ」
浅見さんはクスクスと笑う。
その微笑みに何度も心を奪われる。
「そうだとしたら、私のほうがうれしいですけど」
うれしいのは本当。でも、それよりも、喜んだ様子で話をする浅見さんを見るほうが僅かに勝ってうれしいかも。
浅見さんの無邪気な笑顔をずっと見ていたい。
けれど、幸せな気持ちと同時に、胸が切なく締め付けられるから、これ以上は見られない。
頭をふいっと戻し、手元に視線を落とす。
そこに、しまった声で「瑠依」と口にされた。
びくっと肩を上げ、硬直する。
……来る。
私は瞬間的に察し、身構えた。
「オレと一緒にっていう昨日の返事。聞いても……いい?」
今日の本題はこれだ。わかっていたはずなのに、どうしてこんなに心臓が騒ぐの。
ドクンドクンと脈打つたび、全身がざわめくように落ち着かない。
無意識に眉根を寄せ、ゆっくりと一度頷いて見せた。
浅見さんに伝える言葉は、ここに来る直前までずっと何度も確認していた。
震える唇を徐々に開いて、慎重に紡ぐ。
「私、自分でも驚くくらい浅見さんの存在が大きくて。いつの間にか、なにをしていても浅見さんを感じているっていうか……」
仕事していているときは、今までの助言が頭を過り、カフェの前を通り過ぎたときには、穏やかな笑顔でコーヒーを飲む姿が目に浮かぶ。
お昼や夕食を食べながら、下町風の蕎麦屋、焼き鳥屋からドラマのように素敵なディナーのことを思い出す。
眠る直前、目を閉じた瞼の裏に、私を見下ろす優しい眼差しに包みこまれる感覚さえする。
こんなに人を好きになったことって、ない。
「いや。オレにはどこかうれしそうに見えたけどね」
「そんな、まさか」
「本当に。きっと、瑠依のこと気に入ったんだよ」
浅見さんはクスクスと笑う。
その微笑みに何度も心を奪われる。
「そうだとしたら、私のほうがうれしいですけど」
うれしいのは本当。でも、それよりも、喜んだ様子で話をする浅見さんを見るほうが僅かに勝ってうれしいかも。
浅見さんの無邪気な笑顔をずっと見ていたい。
けれど、幸せな気持ちと同時に、胸が切なく締め付けられるから、これ以上は見られない。
頭をふいっと戻し、手元に視線を落とす。
そこに、しまった声で「瑠依」と口にされた。
びくっと肩を上げ、硬直する。
……来る。
私は瞬間的に察し、身構えた。
「オレと一緒にっていう昨日の返事。聞いても……いい?」
今日の本題はこれだ。わかっていたはずなのに、どうしてこんなに心臓が騒ぐの。
ドクンドクンと脈打つたび、全身がざわめくように落ち着かない。
無意識に眉根を寄せ、ゆっくりと一度頷いて見せた。
浅見さんに伝える言葉は、ここに来る直前までずっと何度も確認していた。
震える唇を徐々に開いて、慎重に紡ぐ。
「私、自分でも驚くくらい浅見さんの存在が大きくて。いつの間にか、なにをしていても浅見さんを感じているっていうか……」
仕事していているときは、今までの助言が頭を過り、カフェの前を通り過ぎたときには、穏やかな笑顔でコーヒーを飲む姿が目に浮かぶ。
お昼や夕食を食べながら、下町風の蕎麦屋、焼き鳥屋からドラマのように素敵なディナーのことを思い出す。
眠る直前、目を閉じた瞼の裏に、私を見下ろす優しい眼差しに包みこまれる感覚さえする。
こんなに人を好きになったことって、ない。