エリート専務の献身愛
「城戸さん、具合悪いの?」
「あっ……加藤さん。いえ、ちょっと目が疲れただけで……。ああ、皆さん、部長と飲みに行きましたよ」
見上げると、最近異動してきた男性社員で戸惑う。慌てて笑顔を取り繕った。
「あー、やっぱり。だから時間ずらして戻ってきたんだ。どうもあの部長、ノリが合わない気がしてさぁ。城戸さんももしかしてそう? だからひとりで残ってるの?」
「いえ。私は単に仕事があって」
「そうなんだ。でもさー。上司と飲みに行くくらいなら、仕事してたほうが数倍ラクだよねぇ?」
実は、加藤さんってちょっと苦手。
誰とでもすぐ話ができる人みたいだけれど、こうして陰で色々言っているって知っている。
いつも聞き流してはいるんだけれど、内心いい気分ではいられない。
私の本音など露知らず、加藤さんは私のデスクに手を置いてベラベラ話続ける。
「あの部長ってさ。噂だと、コネ入社だったらしいじゃん。いいよねぇ。それで早いうちから役職に就けてさ」
この手の話題も私は嫌いだ。
特に、浅見さんを知ってからは余計に。
「でも、今のところ仕事はきちんとしてくれているように思えますよ? それに、頻繁に部下を飲みに誘うのは、コミュニケーションをとろうとしているのかもしれませんし」
「だけど、どうせ酌したり話合わせたりして、ある種、接待みたいな飲み会なんじゃないの~?」
「加藤さん、部長と飲みに行かれたことないですよね? 部長は、飲み会の席では対等を心掛けているみたいなので、お酌もないですし、話も私たち部下の話をよく聞いてくださってましたけど」
「あっ……加藤さん。いえ、ちょっと目が疲れただけで……。ああ、皆さん、部長と飲みに行きましたよ」
見上げると、最近異動してきた男性社員で戸惑う。慌てて笑顔を取り繕った。
「あー、やっぱり。だから時間ずらして戻ってきたんだ。どうもあの部長、ノリが合わない気がしてさぁ。城戸さんももしかしてそう? だからひとりで残ってるの?」
「いえ。私は単に仕事があって」
「そうなんだ。でもさー。上司と飲みに行くくらいなら、仕事してたほうが数倍ラクだよねぇ?」
実は、加藤さんってちょっと苦手。
誰とでもすぐ話ができる人みたいだけれど、こうして陰で色々言っているって知っている。
いつも聞き流してはいるんだけれど、内心いい気分ではいられない。
私の本音など露知らず、加藤さんは私のデスクに手を置いてベラベラ話続ける。
「あの部長ってさ。噂だと、コネ入社だったらしいじゃん。いいよねぇ。それで早いうちから役職に就けてさ」
この手の話題も私は嫌いだ。
特に、浅見さんを知ってからは余計に。
「でも、今のところ仕事はきちんとしてくれているように思えますよ? それに、頻繁に部下を飲みに誘うのは、コミュニケーションをとろうとしているのかもしれませんし」
「だけど、どうせ酌したり話合わせたりして、ある種、接待みたいな飲み会なんじゃないの~?」
「加藤さん、部長と飲みに行かれたことないですよね? 部長は、飲み会の席では対等を心掛けているみたいなので、お酌もないですし、話も私たち部下の話をよく聞いてくださってましたけど」