エリート専務の献身愛
碧い……瞳。
綺麗な黒髪とはミスマッチな美しい瞳の色を、覚えている。
月島総合病院ですれ違った彼女と浅見さんは知り合いだったの?
顔立ちや背丈から純日本人ではなさそうだし、アメリカから来た人なんだ。
至近距離になるときに、咄嗟に顔を逸らし俯いた。
どうか気づかれませんように……!
なぜか鉢合わせるのがいやで、息をも止めて心の中で祈る。唇をぎゅっと結び、眉を寄せた。
ふたりが私を通り過ぎた直後、会話が耳に届く。
「またここですか? ずいぶん気に入ったんですね」
女性の声を聞き、チラリと振り向き様子を窺った。
私の方向に背を向けている浅見さんは、ポケットに手を入れ、店の前に出ていた黒板のメニューを見ていた。
浅見さんの一歩後ろに立つ女性は続ける。
「でもうれしいです。総が、わたしを日本にまで連れてきてくれて」
彼女の言葉に、やっぱり浅見さんと一緒に来た人なのだと確信した。
でも、彼女とはどんな関係なのだろう。ふたりともスーツ姿だ。ということは、部下かな? そういえば、昨日浅見さんが家に来たときに、『相棒に任せてきた』って言っていた。それが、彼女……?
ふたりの後ろ姿を横目で見つめていると、浅見さんが彼女に言った。
「まあ、レナは隣にいるのが当たり前だし、ほかとは違うから」
彼の言葉が耳にこびりついて離れない。
知らぬ間に、私は手を胸に当ててグッと握りしめていた。
「だったら、あまりわたしをひとりにしないでほしいです」
「気をつけるよ」
和やかな雰囲気で交わされる会話。
それは、どう考えてもただの上司と部下には思えない。
綺麗な黒髪とはミスマッチな美しい瞳の色を、覚えている。
月島総合病院ですれ違った彼女と浅見さんは知り合いだったの?
顔立ちや背丈から純日本人ではなさそうだし、アメリカから来た人なんだ。
至近距離になるときに、咄嗟に顔を逸らし俯いた。
どうか気づかれませんように……!
なぜか鉢合わせるのがいやで、息をも止めて心の中で祈る。唇をぎゅっと結び、眉を寄せた。
ふたりが私を通り過ぎた直後、会話が耳に届く。
「またここですか? ずいぶん気に入ったんですね」
女性の声を聞き、チラリと振り向き様子を窺った。
私の方向に背を向けている浅見さんは、ポケットに手を入れ、店の前に出ていた黒板のメニューを見ていた。
浅見さんの一歩後ろに立つ女性は続ける。
「でもうれしいです。総が、わたしを日本にまで連れてきてくれて」
彼女の言葉に、やっぱり浅見さんと一緒に来た人なのだと確信した。
でも、彼女とはどんな関係なのだろう。ふたりともスーツ姿だ。ということは、部下かな? そういえば、昨日浅見さんが家に来たときに、『相棒に任せてきた』って言っていた。それが、彼女……?
ふたりの後ろ姿を横目で見つめていると、浅見さんが彼女に言った。
「まあ、レナは隣にいるのが当たり前だし、ほかとは違うから」
彼の言葉が耳にこびりついて離れない。
知らぬ間に、私は手を胸に当ててグッと握りしめていた。
「だったら、あまりわたしをひとりにしないでほしいです」
「気をつけるよ」
和やかな雰囲気で交わされる会話。
それは、どう考えてもただの上司と部下には思えない。