人事部の女神さまの憂いは続く

「藤木さん、ごめんなさい」

顔をあげて藤木さんの目を見て、大好きな大きな手を両手でギュッと握った。

「確かに色々強引だなって思ったけど、私嬉しかったんですよ、全部。大好きな藤木さんが、強引にでも私のことそばにおきたいと思ってくれて。昔の女の人のことは、気にならないっていったらウソですけど、私だけだって言ってくれるから」

そこまで言って、握っている手の力を強めて

「こうやって一緒にいれること、すごい幸せなんです。私は、藤木さんを幸せにするために、何ができますか?」

そう問いかけた。

すると藤木さんはびっくりしたように、大きく目を見開いて、その瞳はちょっと潤んでいる。

「そう言ってくれるだけで、幸せだよ」

そう言って両頬をすっぽりと大きな手で包み込まれた。

「ほんとに?藤木さんにしてもらうばっかりで、私なにもできてない」

さっき思ったことを言葉にすると、うんん、と首を横に軽く振って

「俺がどれだけ、お前のこと欲しいと思ってたか、わかってないだろ」

言ったかと思うと、軽くキスをされた。

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