人事部の女神さまの憂いは続く

「いえ、今日は」

お断りを入れようとしていると

「うんん。今日、ニシユリちゃんは俺とデートで決定だから。じゃあ、あとでね」

一方的に言って電話を切られた。

なんなんだ、この俺様チャラ男は、と毒を吐きながらイライラした気持ちが治まらなくって、おもむろに立ち上がった。

ガタっと大きな音がして、いきなりの行動に周りの子たちがびっくりしてくるのがわかる。

「ニシユリさん、どうかしましたか?」

やんわり声をかけてくる久保くんに

「なんでもない」

ぶっきらぼうに返事をしながら、とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着こうとスマホ片手にリフレッシュルームに向かうことにした。

< 123 / 399 >

この作品をシェア

pagetop