人事部の女神さまの憂いは続く
「いえ、今日は」
お断りを入れようとしていると
「うんん。今日、ニシユリちゃんは俺とデートで決定だから。じゃあ、あとでね」
一方的に言って電話を切られた。
なんなんだ、この俺様チャラ男は、と毒を吐きながらイライラした気持ちが治まらなくって、おもむろに立ち上がった。
ガタっと大きな音がして、いきなりの行動に周りの子たちがびっくりしてくるのがわかる。
「ニシユリさん、どうかしましたか?」
やんわり声をかけてくる久保くんに
「なんでもない」
ぶっきらぼうに返事をしながら、とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着こうとスマホ片手にリフレッシュルームに向かうことにした。