人事部の女神さまの憂いは続く

ようやく第一志望だった横浜の大学の合格が決まって報告に行った時のこと。

「おめでとう。ゆりちゃんなら受かるって思ってた。頑張ったね」

そう言って大きな手で撫でてくれている仕草はいつもと変わらないものの、大好きな満面の笑みじゃない先生が気になっていた。抱き着いている腕を緩めて

「りゅう先生?」問いかけると

「良かったね」

両方の手で頬っぺたを包み込むようにして、そう言ってくれる。でもなんだかいつもと違ったのだ。

「先生?」

もう1度問いかけると、今後は深い口づけが降ってきた。不安な気持ちがもやもやとしているものの、先生の唇から与えられる熱に溺れていると

「ごめん」

小さい呟きが聞こえた。どうしたのかと思って先生の顔を見上げると、不安そうな物悲しそうな瞳に吸い込まれてしまいそうだった。

どうしたんだろうと、先生の顔に手を伸ばそうとすると、その手を掴まれてギュッと握られた。そして

「ごめん。別れよう」

そう告げられた。

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