人事部の女神さまの憂いは続く

とりあえず、ついついいつもの習慣で乾杯と缶を合わせてみるも、やっぱり旦那様は暴君オーラだしっぱなしで。

おびえながらも、なんかおかしくないか?という気になる。

そもそも私が不機嫌だったはずなのに・・・。

そう思って、ツンと藤木さんと反対側に顔を向けると

「なぁ、何怒ってんだよ?」

という藤木さん。無駄なとこでは鋭さを発揮するくせに、やっぱりこの男はわかってない。

腹が立ってきて

「やっぱ、女タラシ、キライ」

そう言って立ち上がろうとしたら、思いっきり腕を引かれてよろけてしまった。そして、そのまま藤木さんに腕の中に拘束されてしまう。

「だから、俺の前からいなくなろうとするなよ。言いたいことあるなら、ちゃんと全部言えっつっただろ」

そう言われて、はっとする。

ついこの前、言われたことなのに。ごめんなさい、とりあえずそう言葉が出てきたけど、次が続かない。
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