人事部の女神さまの憂いは続く
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車が止まったなと思って顔を上げると、丘の上にある広い駐車場だった。ここから港まで見渡せる観光スポットの1つ。りゅう先生と初めて外で会った日も来たな、とさっき会った先生の笑顔を思い出していると
「悪かった」
運転席から、ちょっと硬い声が聞こえてきた。でもやっぱり素直になれないでいると
「ごめん。こっち向いてよ」
大きな手が頭に降りてきた。何度も撫でられていると、やっぱりこの手で触れられると安心するなと思える。その温もりにほだされてきて
「やきもちですか?」
前を向いたまま声に出すと
「うん。ごめん。思いっきりやきもちです」
思ったより素直な言葉が返ってきた。そこでようやく藤木さんの方を見ると、さっきまでの怒った表情じゃなくって困ったように眉を下げている。こんな表情、ほとんど見たことない。なんだか愛おしくなって、ほっぺにキスをすると、ようやく少し笑顔を見せてくれた。