人事部の女神さまの憂いは続く
「俺は侑里意外考えられないけど。
お前ももっと俺に溺れて」
口づけの合間にそう言われると一気に甘い気分に引き込まれる。もっと、というように藤木さんの唇を甘噛みすると
「で、デートはどうする?」
意外と冷静な言葉をかけられて、ムッとしてしまう。
「それよりも、今。藤木さんとくっついてたい」
思ったことをそのまま口にすると
「仰せのままに、奥様」
ふふっと笑いながら、ほっぺにチュとされた。
そして、そのまま子どもみたいに抱っこしてベッドに連行される。
結局こうやって藤木さんの温もりを感じると、それだけで不安も不満も忘れてしまう。
香織さんに言ったら怒られそうだけど・・・。
でも人としての信頼関係はあるけど、男と女として向き合って日の浅い私たちにはこれでいいのかも知れない。
甘やかしてくれる旦那さんに、そのまま身を委ねたい。
それができる日常が幸せだなって思いながら、愛しい旦那さんの熱に溺れた。
<その⑥嵐の予感~侑里とふじっきーの憂い~FIN>