人事部の女神さまの憂いは続く
無事に実家での挨拶を終え、空港からその足で向かったのは香織さんと立花さんのお宅。
今日会社を休むことと、夜飲みにお邪魔するということは言ってあったものの、肝心なところはまだ伝えていなかった。
2人一緒にスーツケース片手にインターフォンを鳴らしてお土産を渡した時に
「2人でどっかいってたの?」
香織さんに聞かれた。藤木さんは立花さんに、私は香織さんに休暇の申請をそれぞれしていたので、2人一緒に休みをとっていたとは思われていなかったようだ。
でも渡したお土産が私がいつも帰省した時に買ってくるオツマミだったのを見て、香織さんは「ふーん」とニヤニヤしはじめる。
私はその視線から逃げるように立花さんがいるキッチンにお手伝いに向かった。