人事部の女神さまの憂いは続く
私もついつい意地悪したくなって
「接待って、今日も女はべらしてんじゃないの?」
つついてみると、ムッと顔をしかめている。その顔が面白くって思わず笑っていると
「え!?ふじっきー、まだそんなことしてんのかよ。まじ、クズだな。ニシユリ、出戻って来い」
いつものように大輔が騒ぎ始める。大輔が侑里のことかわいがってるのはよくわかってはいるものの、こう毎回お兄ちゃん風を吹かせるのはやめてほしい。
出戻って来いって、また家に家出でもさせる気なのか・・・。
面倒なことにならないといいけど、と思っていると、ピンポーンとインターフォンがなった。大輔がすかさず立ち上がって、オートロックを解除している様子を見て侑里は苦笑いをしている。
「なんか嫌な予感するよね」
「立花さん、また変なこと言い始めないといいんですけど・・・」
侑里も同じ意見らしい。そして玄関から聞こえてくる声に、私たちの予想は正しかったんだと悟って
「とりあえず、男はほっといて飲もうか」
と言って侑里とグラスを合わせた。