人事部の女神さまの憂いは続く

「ふじっきー、また女と飲んでたのかよ?」

「はぁ?接待だよ、接待」

「この前もそう言ってたろ」

「はい、はい。うっさいなー。とりあえず飲ませろよ。あいつ、あの焼酎持ってきてんだろ?あと、ハム。残してんだろうな?」

「いやいやいや。ちゃんと答えるまで飲み食いさせるわけねーだろうが」

予想通りにぎゃーぎゃー言い合いながらリビングに入ってきた2人に、いらっしゃい、という意味を込めてグラスを掲げてみると

「てか、香織からも言ってやってよ」

言いながら大輔の腕が腰に巻き付いてくる。

甘えるように私の方に頭をスリスリしてくるのがかわいくって、ナデナデしている間に、侑里はせっせとふじっきーのために焼酎とか取り皿とか用意してる。

いい奥さんやってるなって思うけど、仏頂面でふんずりかえってるふじっきーを見ると、どう考えても私はあんな俺様は絶対いやだと思う。
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