人事部の女神さまの憂いは続く
「あ、早かったですね。おかえりなさい」
ニッコリ笑う侑里の手元には缶ビール。そしてテーブルの上にはパソコンと、ツマミ盛り合わせ。いつも通りすぎる、その光景に苦笑いをしてしまう。
「お前、また晩飯くわずに飲んでるんだろ」
ネクタイを緩めながら適当すぎる食生活に文句を言うと
「だって、今日藤木さん早く帰ってくるって思わなくって。言ってくれたら、ちゃんと作ったのに」
ちょっぴり不貞腐れてる。
「そういう問題じゃないだろ。1人でもちゃんと食え。酒飲むのも、食ってからにしろよ」
「えー。そんなことしたら太っちゃうよ」
立ってる俺を見上げてくる顔が、酒のせいかほんのり赤い。
くそっ、今日もかわいいなって思っちまう俺は、本気で侑里バカなんだと思う。
「俺も今日食ってないから、なんかつくるけど。麺とごはんどっちがいい?」
着替えながら言うと
「んー、藤木さんが好きな方で。てか、お風呂入ってきたら?私つくるよ」
珍しい発言が。