人事部の女神さまの憂いは続く

「新年会の後の話、聞いた?」

シャワーを浴びてリビングに戻ると、ちょうどテーブルにお皿を運びながら侑里が聞いてきた。

「聞いた。大輔がすげー自慢げに話してきたよ。どう思った?」

冷蔵庫からビールを取り出しながら返していると、まだ何も身に着けていなかった背中にぺたんと張り付くぬくもりが。腰に手を回して

「私も、もう1本ちょうだい」

一緒に冷蔵庫を覗き込んでくる。はいっと頬に缶をつけると、冷たって笑いながら

「私はいいなって思いましたよー。希望制っていうのが、特に」

さっきの返事をしてくる。

「たしかに、こっちで選んでるとキリないしな。じゃあ、あの方向でいくか」

言いながらテーブルに移動すると、いい香りが漂ってくる。

「お、うまそっ」

貴重な侑里のお手製夕飯を口に運ぶ。
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