人事部の女神さまの憂いは続く

すごいシンプルなナポリタンだけど、味はいい。

一緒に住みだしてわかったのは、予想通り侑里はあまり料理をしない。本人は作る機会がないって言い張ってるけど、すぐ酒とツマミだけで済まそうとするせいだ。

だから決して料理上手とか料理が得意ってわけじゃくって、作るのはたいていこういう定番料理。だからなのかは謎だけど、たまに作ってくれる料理は美味しい。腹が減っていたこともあって、とりあえず食べることに集中していると

「それでね、なんか幹事的なもの、久保くんとかがやってくれるって話してて」

いきなり具体的な話がでてきた。飲み込みながら、ん?と首をかしげると、ふにゃりと笑う侑里。

余計にわからなくって、ビールで流し込んでから

「どういうこと?なんか面白い展開なの?」

聞くと、うんんと首を横に振っている。

そしてちょっと照れたように爆弾を落としてくる。

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