人事部の女神さまの憂いは続く
「藤木さんがそうするの、すごい好きなの」
いきなり飛んできた変化球に対応できずに、はぁ?とそのままのリアクションしか取れずにいると
「ん?ってやつ。なんか色っぽいし、甘やかされてる感じがしてね、結構前からそれはやばいなーって思ってたの」
口元を緩めながら説明をしてくるから、ほんと「こんにゃろー」としか思えない。
真面目な話するんじゃなかったんだっけ?
シャワー浴びる前、だから俺我慢したんじゃなかったっけ?
なんなんだよ、まじで。
俺、まだ食べきってないし。
せっかくの侑里のお手製なのに。
まずはそう思って、侑里を無視して再び食べることに集中することにした。すごい勢いでナポリタンを口に運ぶ。
俺がなんの返事もせずに、いきなり食べ始めたことに一瞬びっくりしたようにしてたけど、どうやら俺が腹が減っていると思ったのか自分用の皿も俺の前に差し出してくる。
だから、それも合わせて食べつくして、ついでにビールでケチャップ味の口を薄めてから、思いっきり侑里の唇にかぶりついてやった。