人事部の女神さまの憂いは続く

うーん、と少し考えてから、胸の中でもやっとしていたものを言葉にした。

「私はいいんです。藤木さんがいいって、独り占めしたいなって思ってたんで。でも、藤木さんはいいのかなって。あんな軽いノリで決めちゃって。結婚できるんだって浮かれてるの私だけみたいだし・・・」

反応が恐くて藤木さんの方を見れずにいると、

「だってさ」

香織さんが、はぁ、とまたため息をついている藤木さんをにらみながら言っている。どうしようと思っていたら

「ニシユリ、本当にふじっきーに惚れちゃったの?」

また空気の読めない立花さん。

「だから危険だって言ったじゃん。やっぱりあの時、部屋入り浸るの阻止すればよかった」

言いながら、うなだれている。そんな立花さんに、まぁまぁと言いながら

「で?」と香織さんは藤木さんに詰め寄っている。

恐る恐る右上に視線を向けると、不貞腐れた顔をしていらっしゃる暴君。

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