人事部の女神さまの憂いは続く
その場をごまかすようにテーブルの上に置いていたコップに手を伸ばすと
「わかった。ふじっきー、まじでニシユリに惚れてんだな。でも、いつから?」
ようやく納得してくれたらしい立花さん。
「それ私も聞きたい―!」
テンション高い香織さんに乗っかって
「私も知りたいです」と言うと
「知るか!」と暴君モードに戻っていらっしゃる。
さっきまでの甘い藤木さんはどこにいっちゃったんだろう、と残念に思ってると
「でも、ようやく落ち着くとこに落ち着いた感じね」
香織さんがしみじみしている。それを聞いて
「やっぱ、香織はすげーな」
なぜか香織さんを誉めだす立花さんに首をかしげていると
「いやさ、前に香織が言ってたんだよ。ふじっきーはニシユリにマジなんじゃないかって」
びっくりする発言が。
「えっ、いつの話ですか?私、全然・・・」
と言っていると
「あー、もういいだろ。とにかく、いい加減これ書いてくれよ」
暴君がいらついたように、テーブルの上に広げられている紙を指さしている。