人事部の女神さまの憂いは続く
その指先を見ながら何かを考えていた香織さんが口を開いた。
「じゃあ、私からの質問にちゃんと答えるならいいよ」
「あぁ。なんだよ?」
「あの日プロポーズしようって、いつから決めてたの?」
それを聞いて、眉間にしわを寄せている藤木さんがぶっきらぼうに答えた。
「お前から招待状受け取った時」
きゃーっとなぜか興奮している香織さんだけど、私はびっくりしすぎて藤木さんの顔を凝視してしまった。あの時、会話の流れでそうなっただけだと思ってたのに、そんな前から考えてくれてたんだ。
びっくりしながらも、嬉しい気持ちが込み上げてきて、やっぱり藤木さんに触れたくなって振り返ろうとすると
「じゃあ、俺からも1つ質問。答えによっては、俺は書かないからな」
ちょっと険しい顔をしてる立花さん。
「なんだよ」
「ニシユリに手出したのは?他の女切った後だろうな」
質問の内容に赤くなりながらも何て答えるのか気になって藤木さんを振り向くと、嫌そうな顔をしている。