人事部の女神さまの憂いは続く
香織さん家を出て扉を閉めたところで、思いっきり藤木さんに抱き着いた。いきなりの行動にびっくりしていた藤木さんのほっぺにキスをして
「ずっと我慢してたんです」
と言うと、深い口づけを返してくれた。それが嬉しくて夢中で唇を合わせていると、その合間に
「俺は挿れたいの、ずっと我慢してたんだけど」
卑猥なことを言ってくる。
でも、正直私もおんなじ気持ちだった。
初めて身体を重ねた日から毎日抱き合ってたけど、一昨日からは実家にいたので、さすがにキスだけだ。私も早く藤木さんに触れたいし、触れてほしい。
「早く欲しいです」
そう言って藤木さんの腰に回していた腕の力をぎゅっと強めると
「まじでやばい。タクシー拾うぞ」
大きな手でぎゅっと私の手を握って歩き出した。
明日、とうとうフジキユリになる。
そんなことを考えてると幸せな気分が溢れてきて、ぎゅっと握っている大好きな手に口づけを落とした。
<その後②結婚報告での憂い FIN>