人事部の女神さまの憂いは続く
ほんとムードないのはどっちだよ、と今日何度目かのツッコミを心の中でいれて、残りの定食を平らげた。
「すみません、やっぱもう戻んないといけなくなっちゃいました」
予想通り、そう言って申し訳なさそうな顔をして戻ってきたニシユリ。
「OK。じゃあ、出るか」
頭をくしゃっと撫でてやると、ほっとした表情に変わる。こんな安心しきった顔を向けてくれるのは俺だけにして欲しい。
そして、その日の部全体での会議のおわり。
「あと、プライベートなことなんだけど。人事のニシユリと入籍しました。以上」
そうやって会議を締めて立ち上がろうとしたころで
「えーーーーーーーーーーー」
そこにいた50人ほどのメンバーほぼ全員から同じリアクションが返ってきた。