人事部の女神さまの憂いは続く
「聞いちゃった、じゃねえよ。今日一緒にプレゼン行った奴に『藤木さんが同志だったなんて知りませんでした』っていきなり握手求められて、なんだ?って思ってたら『ニシユリさん語録、なんかいいのあったら教えてください!むしろニシユリ教のメルマガ、藤木さんも入りますか?』とか言われるし。なんで俺があんな変態ドM野郎たちの同志なんだよ」
吐き捨てるように話す藤木さんにビクっとしているのは私だけのようで
「へー、メルマガとかあるんだ。俺も入れてもらうかな」
暢気に話している立花さんと、声を出して笑っている香織さん。
その様子も気に食わなかったようで
「なんなんだよ、まじで。お前、もうそのキャラやめろよ」
怒りの矛先を向けられてしまった。でもなんで私が怒られないといけないのか理不尽な気がして
「いやいや、そもそもニシユリ様になれっていい始めたの藤木さんですからね」
言い合いをしている私たちをよそに、ゲラゲラとお腹を抱えて笑っている立花さん。