人事部の女神さまの憂いは続く
お願いだからこれ以上、この暴君の怒りに火をつけないで、と立花さんをにらんでいると
「ほーんと。過去の男に嫉妬するくらいなら、さっさと自分のものにすればよかったのに。自分は遊びまくってたくせに、よく言うわよね」
香織さんが言いことをいってくれた。
本当にそう。いっつも自分のことは棚に上げて、人のことばっかり責めるんだ、と思って激しく首を上下に動かしているとバツが悪くなったのか
「今はそんな話じゃないだろ。とにかく、ニシユリ様は封印だ。そろそろコンテンツとしてもマンネリだろ。採用は久保メインでいけよ。久保なら、ほらあのストーカー野郎より若いし人気でるんじゃないか?」
大きく話を戻して、今度は人の仕事の方向性を決め始めた。ぎょっとしていると
「ほら、やっぱりそういうこと言う。だから、ふじっきーにあの噂聞かせたくなかったのよ。去年の美人人事特集もイイ感じだったし、もう1年ニシユリ様でいくつもりなんだけど」
香織さんが不満を漏らしている。