ピアスホールに君の熱
ピアスホールに君の熱
小さい頃。私がまだ小学生なのに対し、幼なじみのレーくんは当時高校2年だった。
レーくんには2歳年上のお兄さんがいて私はシーくんと呼んでいたんだけど、その人がとっても優しくてレーくんとは比べ物にならないくらいに紳士だった。
そんなお兄さんに対して、レーくんはその頃からちょっと意地悪だった。
私のことをすぐガキ扱いするし、口は悪いし、未成年のくせに煙草も吸っていた。
絵に書いたような不良だった。
だから当然、私はレーくんよりもシーくんに懐いていたし、シーくんのほうがずっと大好きだった。
けれど、たった一つだけ。
私は、シーくんにはない
レーくんの〝ピアス〟に憧れていた。
それはとても輝いて見えて、大人って感じがしたからだ。
当時小学生だった私にそれ以上の理由なんて聞くだけ無駄だろう。
ただ、羨ましかった。それだけ。
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