ピアスホールに君の熱


「…兄貴のため?」


「え?」


「兄貴のために、そんなことまでするんだ」


「ち、違…っ!」


レーくんの顔がほんの数センチ先にある。


唇が触れるか触れないかのきわどいところでする会話に、私のドキドキはピークに達していた。


このまま私、動悸で死ねる気がする。


「昔からみかは兄貴ばっかりだったもんな」


「ち、違うってば…」


「今更隠さなくてもいいだろ」


「だから、本当に違うの!だって私が好きなのはレーくんだもん!」


…あ。口が滑った。


自分にとってもまさかの衝撃発言に目の前のレーくんは私以上に驚きで目を丸くさせている。


当然だ。ずっと私がシーくんを好きだと思いこんでいた上に突然告白までされてしまったのだから。


それにしたってこんな勢いだけの告白ってアリなんだろうか。


そりゃ、いつかは伝えたいとは思っていたけど。


まさかこんな状況で言ってしまうことになろうとは。


告白してしまったはずなのに、やけに冷静な自分がいた。


きっと目の前に自分以上に驚いている人物がいるからだ。


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