ピアスホールに君の熱


ライブハウスから歩き続け、程なくして近くのコンビニに立ち寄った。


レーくんは宣言通りお酒とつまみを次々にカゴの中へと収めていった。


「みか」


「んー?」


「お前さ、ライブハウス来るならせめて友達とかと来いよ」


「何よ急に。女が私だけじゃ不満ってこと?」


「違うっつの。こんな夜遅くにガキが一人で出回るなってこと」


またガキ扱いか。


「変な奴がいたらどうするつもりだよ」


「変な奴って?」


「……」


なぜかレーくんに無言で思いっきり睨まれた。


え、私何か変なこと聞いた?


「…もういい。とにかく、今度からは一人で夜道をうろうろすんじゃねえぞ」


「はーい」


言い方はキツくてもこうして気遣ってくれるレーくんの優しさは嫌いじゃない。


ガキ扱いは気に入らないけど。



買い物を済ませコンビニを出ると、レーくんの住むアパートに向かった。


ライブハウスからそんなに遠い場所でもなく徒歩で移動できる距離だったので、レーくんにシーくんからの伝言を伝えているうちに目的地へ到着した。


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