ピアスホールに君の熱


慣れた手つきで鍵を開けるレーくんの姿を見て、ここがレーくんの毎日暮らしている家なんだなあっと、少し緊張してきた。


そういえばシーくんもまだレーくんの家には来たことがないと言っていたから、もしかしたら女の子は私が初めてかもしれない。


なんて、レーくん昔から顔だけは良かったしモテてるんだろうな。


もしかしたら彼女もいるかもしれない。


ちょっとでも自惚れてしまいそうになった自分が恥ずかしく思えた。


「入って」


「お、お邪魔します…」


乱雑に扉を開け中に通された私は靴を脱いでからゆっくりとワンルームの部屋へと入って行った。


中はとてもシンプルだった。


ベッドとテレビとテーブル。必要最低限の物だけが揃えられていて、家具はどれもレーくんが昔から好きだったブルーで統一されている。


「あんまジロジロ見んなよ」


「あ、ごめん…。何かレーくんらしい部屋だなって思って」


「そうか?」


「うん。レーくんやっぱり変わってないみたいで安心した」


「何だそれ。喜んでいいのか微妙なんだけど」


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