堅物男子と甘い恋

「は？あ、いえ、そういうのじゃないですよ。」



確かに北野のことは大切だが、恋愛対象としてはみていない、はずだ。


多分。


「いやいやいや、それはないだろ。」



否定すると笑い出す先生。



「好きじゃないやつにあんな表情するかよ、普通。しかも堅物で有名なお前がな。」



は？何言ってんだ、この人は。


しかもあんな表情ってどんな表情だ？具体的に教えてもらわないと困る。



「あの、なんの話をしてるのでしょうか。」


俺がそう聞くと先生はギョッとしたように固まった。



「嘘だろ、無自覚？っていうことは恋心も無自覚？嘘だろ…？」



いや、ほんとになんなんだ？



恋心も無自覚って、まるで俺が北野のこと好きなんだけどそれを自覚してない、みたいな…？