堅物男子と甘い恋
すると美幸ちゃんは安堵したような表情になった。
でもすぐに厳しい顔になる。
「いい?小野くんには絶対に私たちが原因で呼吸困難起こしたとか言わないでよ。」
あ、別に美幸ちゃんたちが原因じゃないけどな…。
そう否定するまもなく、美幸ちゃんは私の耳元に口を寄せた。
「…もし言ったら容赦しないから。」
美幸ちゃんはそう言ってクルリと踵を返してどこかへと行った。
美幸ちゃんは、罪悪感なんてこれっぽっちも抱いていなかった。
むしろ、小野くんに嫌われないように必死だった。
美幸ちゃんにとって小野くんが気にかけてくれてる私という存在はホントに邪魔なんだろう。
相当嫌われてるな…
悲しくなって、私は唇を噛み締めたのだった。