堅物男子と甘い恋
「…っと、そろそろ帰ろうかな。」
それからどれくらい経っただろうか。
先輩は私を離して立ち上がる。
「帰っちゃうんですか…?」
いやだな、まだいてほしいな。
ジッと先輩を見つめるとため息をつかれた。
「ったく、ほんとおまえは…」
ボソッとそう言って先輩は苦笑した。
「そろそろ親御さんも帰ってくるだろ。それに、また何かあったら連絡してくれればすぐ来るから。な?」
優しく私を諭す先輩。
うー…まるで私が駄々をこねてる子供みたいだよ。
「わかりました。今日はありがとうございました。」
「あぁ、じゃあな。」
先輩はそう言って私の家を出ていった。