堅物男子と甘い恋
その後の先輩
『帰っちゃうんですか…?』
物足りなさそうな声色、上目遣い、少し震えてる声、
「…はぁ。」
なんなんだ、アイツは。
北野の家からの帰り道、俺はひとりため息をついた。
「あー…くそっ」
抱きしめてしまったことを後悔する。
離れないんだよ…アイツの感触、匂い、表情すべてが。
「ただいま。」
北野の家と割と近い、姉貴の家に戻る。
「おかえり。さっきは急に飛び出していってどうしたのよ。」
見るからにギャルの姉貴はネイルを塗っている最中だった。