堅物男子と甘い恋
「いや、なんでもない。気にするな。」
「はぁ?気にするなって言われても気になるわよ。
ていうか、なんで私のことを嫌ってるアンタが今日私の家に来たのよ。なにか理由があるんでしょ?」
姉貴は見た目と反して鋭い。
「なんでもねぇよ。なんとなくだよ。」
言えるわけない。北野を守るため、なんて。
言ったとしてもからかわれるか笑われるだけだ。
「ていうか、さっきの電話で大体予想つくからいいんだけどねぇ。」
さっきの電話?
家を出る前にした北野との電話か。