堅物男子と甘い恋
「ーーしま?根島?大丈夫か?」
ボーッとしてた私を心配そうに見つめる先輩。
「大丈夫です。でもあの…根島って呼ぶのやめてもらえませんか?昔この名字でいじめられてて。」
これは本当だ。
根島って名字なのにみんなから根暗って呼ばれていた。
「あぁ、わかった。名前で呼べばいいか?」
「はい。お願いします。」
舞花先輩は北野って呼ばれてたはず。
私だけ名前呼びーーなんだか特別みたいじゃない。
「あとはなんかあるか?」
「いじめてきた人にバレないようにたまにカップルっぽいことするかもしれないです。」
「ん、わかった。」
あー、今頃舞花先輩どうしてるのだろうか?
1人泣いてるかな。
まぁ、私には関係の無いことだ。
私はーー小松先輩さえいればいいのだから。