堅物男子と甘い恋
「それで生徒会長は、一年生の名前を知ってる俺を見張り役に指名したんだ。
それに了承した俺。見張ってたら、そこになぜか舞花先輩が来て、すべてわかったんだよ。亜子のしたかったことが。」
ーー加藤は人一倍するどい。
気づいた時、つらかっただろうに。
好きな女が他の女を陥れようとしているなんて。
「報告は、どうしたの?舞花先輩が来ました、って言ったの?」
佐野がそんなことを聞くと加藤は肩をすくめた。
「そんなことしねぇよ。来たけどよく顔が見えませんでした、って言ったよ。」
ため息をつく加藤。
そうか。知ってたんだな…。