堅物男子と甘い恋
「人が多いんだ。我慢しろ。」
そ、そうだけど…そんなことはわかってる。
「せ、先輩、いい匂いしますね。」
困り果てた結果出た言葉はなんとも変態チックなものだった。
「そうか?そんなことないと思うが。」
ふわりといい匂いがする先輩。
どうやら、香水とかじゃなくて素のようだ。
「……」
特に話す話題もなく、それからは無言だった。
「…おい、次だからな。」
それからしばらくして、口を開いた先輩。
目的地の森山駅まであと少しらしい。