堅物男子と甘い恋
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「落としてきました。」
洗面所でメイクを落とし、部屋に戻ると先輩はまだメイク道具をいじっていた。
「北野、そこ座れ。」
「へ?はい。」
先輩の言われた場所に座ると、先輩はメイク道具を持った。
「俺がしてやるから大人しくしとけよ?」
「へっ!?」
そういうなり先輩は私にメイクし始める。
ええ、何この展開…なんかおかしいよ。
ていうか、彼氏にメイクしてもらう彼女ってなんなの…
微妙に女としてのプライドが傷ついていると、先輩はため息をついた。
「こら、動くなっつっただろ。」
「すみません…」
真剣な顔で見つめられドキドキしてしまう。
それに、先輩の手が時々私の顔に当たるから…余計に。