堅物男子と甘い恋
私のミッション
姫華ちゃんが塾で生徒会室を出たのが六時くらいだった。
「おい、北野。もう帰れ。親御さんが心配するぞ。」
先輩はいつまでたっても帰らない私を不審に見つめる。
「親には遅くなると連絡したので大丈夫です。それより先輩は帰らないんですか?」
「…あぁ、そうだな。もうひと踏ん張りしたら帰るか。おまえは暗くならないうちに帰るんだぞ。」
先輩はそう言って仕事モードにもどる。
先輩を観察しててわかったのは、先輩は仕事モードになると話しかけても気づいてくれないってこと。
特にやることのない私はそんな先輩の後ろ姿を見ながらフワァとあくびを漏らした。