青いココロ
◆「雨」
「うぉっ!やべ、ビチョビチョだよ」
そう言って、入ってきたのは一人の男。
ん?
誰だっけ?
見たことある気がするけど………
「藤だよ。よろしくな!」
だってさ。
って!!俺何も言ってないけど…!?
「お前と会ったの、確か最初の日にだけだったしな。どうせ、名前覚えてねぇだろ?」
そう言って笑っている。
なんだ、心の中読まれたのかと思った。
ホッと一息つくと
思い出したように
「あ、よろしくお願いします」
と挨拶をした。
「雨ですか?」
ビショビショに濡れた服を見て尋ねると
「そうなんだよ…来る途中、急にな。」
あれ?確か今日は雨降らないってTVで言ってたはずなんだけどな。
藤さんが入ってきたドアを見ると、雨が激しくぶつかっていた。
夕立かな?
「すまん、ちょっと奥行ってるから…」
そう言って、藤さんは従業員部屋の方へと向かっていた。
「はい。」
とりあえず返事をした時には
もうすでに扉を開けて部屋に入っていた。