雨が降ったから僕らはキスをした。
出会い
寒い。


めちゃくちゃ寒い。


頭を冷やしたくてとっさに家を飛び出したのはいいものの行くあてもなく。


仕方なく自販機であたたか〜いのお茶を買って公園のベンチに腰を下ろす。


「あーどうしようかな」


時は午後6時。


辺りは真っ暗。


もちろん人っ子一人いないわけで。


誰もいなくなった公園はどこか寂しげで僕の心も不安にさせていく。怖いなあなんて。


すっかり冷え切った風に身体を震わしながら空を眺めた。
雲ひとつない真っ暗な空。星はあまり見えない。



手のひらから伝わってくる温かさが心地良い。


僕はふぅっとひと息はいた。


そんな長い長い夜だった。

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