雨が降ったから僕らはキスをした。

「別に好きな人とかいないよ?ただ恋ってなんだろうどんなものなんだろうって気になって」


「またお勉強感覚かよ!この根暗優等生ガリ勉野郎が」



さりげなく僕を罵るスタイルはやめてほしい。


「僕、そんなに成績よくないし。ガリ勉でも優等生でもないよ」


そして根暗を完全に否定できないのがとてもつらい。



「ばーか、喋り方が優等生チックなんだよ!」


「みっちー理不尽と偏見の塊の言葉だよ?それ」


「そんなことはどうでもいいんだよ、バカ!恋ってのはさ、感性と直感でするものなの!!恋とは〇〇でありとかそんなんじゃないの!わかる?恋はさキラキラしててそりゃあ辛い時もあるけど世界が輝くんだよ」



今道教授による長ったらしい恋についての演説がはじまったところで僕たちの学校がある駅に着いた。

ここから徒歩5分歩いたところに学校はある。



「今道教授〜駅着いたよ、恋愛講座はまた今度ね」


「なんだよ、良いところだったのに」


不満げなみっちーに苦笑いを浮かべながら恋について考える。


世界が鮮やかになってキラキラして輝く。そんな恋のことを全力で語れるみっちーがなんだかうらやましかった。



< 5 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop