愛をください

その夜、

落ち込んでなにも食べる気にならないあたしを心配して

家族で食事に行くことになった

今は外に出たくない

一人になりたい

そんな気分だったが

みんなあたしに気を使ってくれてるのがわかったから

行くことにした

家族に支えられ

少し笑うことができた

でもご飯は喉を通っていかない
そしてまだケータイを

持っていなかったあたしに

父はケータイを買ってくれた

後から聞いた話では

ケータイでもないと

こいつは考えすぎて

おかしくなるんじゃないかと

心配したゆえに買ったらしい

ほんとは合格したお祝いで

買ってもらうはずだった

ケータイ…

あたしはためらった

母「なち、お母さんもがんばるからなちもがんばろ??」

嬉しくてしかたなかった

初めてのケータイを手に

泣きつかれて眠りについた
< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop