好きになれとは言ってない
 今、まさに腰を据えて呑もうとしていたところだったからだ。

 話の流れがわかっていない山村は、
「小宮がどうかしましたか? 亜紀さん。

 そうだ。
 小宮呼ぼうかな。

 確かまだ会社に居たから」
と言い出す。

 ええっ? とみんなが山村を振り返る。

「や、やめてください、山村さん」

 止めようとする遥たちを押し退けるように
「よしっ、山村、小宮を呼べっ」
と亜紀が言う。

「なんなんだ、この無法地帯は……」
とその場に馴染めず、航はひとり呟いた。




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