好きになれとは言ってない
「だからって、至近距離から見るな」
という航は珍しく赤くなっているように見えた。
へー、この人でもこんな顔するんだ、と思い、また眺めると、完全に本を読むのをやめたらしい航がこちらを見て言った。
「お前は仕事中でもよく一点を見てるな」
「そうでしたっけ?」
さすが切れ者の人事課長、よく見てるな、と思っていた。
遥の居る総務と人事は同じフロアにある。
「でも、課長、本とか読むんですね」
「読んじゃ悪いか」
「いえ、なにかこう、お休みのときとか、もっと違うことしてそうなイメージだったので」
違うことってなんだ? と見られる。
いや、身体を鍛えるとか、身体を鍛えるとか、身体を鍛えるとか、と思っていると、溜息をついた航に、
「お前の目は本当に口ほどに物を言うな」
と言われた。
目がついつい、筋肉で張りすぎているスーツの肩の辺りを見ていたからだろう。
「……身体を鍛えるのが趣味なんだ」
やっぱりか。
という航は珍しく赤くなっているように見えた。
へー、この人でもこんな顔するんだ、と思い、また眺めると、完全に本を読むのをやめたらしい航がこちらを見て言った。
「お前は仕事中でもよく一点を見てるな」
「そうでしたっけ?」
さすが切れ者の人事課長、よく見てるな、と思っていた。
遥の居る総務と人事は同じフロアにある。
「でも、課長、本とか読むんですね」
「読んじゃ悪いか」
「いえ、なにかこう、お休みのときとか、もっと違うことしてそうなイメージだったので」
違うことってなんだ? と見られる。
いや、身体を鍛えるとか、身体を鍛えるとか、身体を鍛えるとか、と思っていると、溜息をついた航に、
「お前の目は本当に口ほどに物を言うな」
と言われた。
目がついつい、筋肉で張りすぎているスーツの肩の辺りを見ていたからだろう。
「……身体を鍛えるのが趣味なんだ」
やっぱりか。