好きになれとは言ってない
 ああそうか。
 ずっと無実の罪で。

 いや、無実かどうかはわからないが。

 亜紀の強い口調に、相手はいじめられていると思ったのだろうから。

 でも、亜紀にしてみれば、相手のことを思ってやったはずが、意地悪な先輩に仕立てられて、本当はずっと辛かったのだろう。

「亜紀さん。
 亜紀さんはとてもいい先輩ですよ。

 私も亜紀さんのお陰で、迷いが晴れました。

 とりあえず、まどかさんを手に入れなければっ」
と拳を握ると、

「……いや、あんたそれ、またおかしな方向に向かってるから」
と言われた。





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